美肌と関係の深いタイトジャンクション
「タイトジャンクション」ということばをご存じでしょうか?
タイトジャンクションは、お肌の中で隣り合う上皮細胞同士が密着し、お肌の中の成分が細胞と細胞の間を通過するのを防ぐ、結合のことをいいます。
日本語では、「密着結合(みっちゃくけつごう)」とも呼ばれます。
実は、このタイトジャンクションは、美肌にとても大切で、エイジングケアにも大きな影響を及ぼすバリア機能と深い関係があります。
もし、この結合が弱くなるとお肌はダメージを受けるのです。
だから、タイトジャンクションを守ることが、健やかでエイジレスな素肌をキープするための大切なポイントです。
そこで、ナールスエイジングケアアカデミーの「タイトジャンクションを守ろう!バリア機能正常化と敏感肌対策のコツ」の記事を参考に、タイトジャンクションとは何か、そのはたらきや役割、またバリア機能との関係についてご紹介します。
タイトジャンクションのはたらきとは?
タイトジャンクションは、細胞同士を密着させることで、細胞と細胞の隙間をふさぐはたらきがあります。
その結果、次のような効果が期待できます。
お肌の水分や栄養分などが外部に出ていくのを防ぐ
お肌の外から異物が入るのを防ぐ
イオンの透過を制御する
つまり、タイトジャンクションは、角質層とともにエイジングケアの要であるお肌のバリア機能を維持するために、大きな役割を果たしているのです。
また、タイトジャンクションには、エイジングケアにとっての好ましいはたらきがあります。
それは、角質層を弱酸性に保つはたらきです。
その結果、セラミドなどの角質細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)のひとつであるアミノ酸のもととなる成分の代謝が正常な状態をキープするのです。
さらに、皮膚常在菌のバランスも保つことができます。
タイトジャンクションが低下するとどうなる?
このようなタイトジャンクションのはたらきが低下すると、角質細胞間脂質であるセラミドやコレステロール、脂肪酸などの産生が低下することがわかっています。
また、保湿成分としてはたらく天然保湿因子(NMF)に変わるフィラグリンの合成や代謝に異常が起こったり、アミノ酸の量が減ることも明らかになっています。
そのほか、タイトジャンクションのはたらきが低下した皮膚では、角質が肥厚することもわかっているのです。
もうひとつ興味深いのは、敏感肌との関係です。
敏感肌の方は、皮膚の神経線維が表皮にまで突き出している場合が多いのです。
健康なお肌の場合は、神経線維は真皮にとどまり、表皮まで突き出すことはありません。
しかし、敏感肌の場合、表層まで神経が伸びているため、刺激を感じやすいのです。
これは、タイトジャンクションが切れてしまったり、緩んでしまった結果、神経線維が表皮まで突き出した可能性があります。
このように、タイトジャンクションのはたらきの低下や構造の変化は、敏感肌の原因になりうるのです。
タイトジャンクションを守るためには
タイトジャンクションは、さまざまな影響で弱ってしまいます。
その要因としては、主にエイジング、紫外線ダメージ、ストレスなどです。
まず、紫外線ダメージに関しては、光老化をはじめ、エイジングケアにとっては問題が大きいので、すでによくご存じだと思います。
タイトジャンクションにも悪影響を与えることを意識して、日焼け止めをはじめさまざまな手段で、1年中紫外線対策を行いましょう。
また、お肌の温度が低下すると、タイトジャンクションの動きが弱まり、カルシウムイオンが流出します。
その結果、バリア機能が低下してしまいます。
寒い冬の時期、冷え症、ストレス、睡眠不足、血行不良なども体温が低下する原因となります。
また、体温の低下は自然免疫も低下させることになるので、タイトジャンクションとのコラボレーションも弱まってしまいます。
このため、体温を低下させないようにすることは、お肌のバリア機能を正常に保つことにつながるのです。
さらに、ストレスもタイトジャンクションに悪影響を与えることがわかってきました。
それは、ストレスによって活性酸素が発生することや末梢神経の収縮で体温が下がるからです。
つまり、ストレスも紫外線や低体温と似た影響をお肌に与えるのです。
もちろん、喫煙は酸化ストレスの原因になりますし、睡眠不足も同様です。
タイトジャンクションを守るには、過度なストレスを避けるようにしましょう。
まとめ
ナールスエイジングケアアカデミーの「タイトジャンクションを守ろう!バリア機能正常化と敏感肌対策のコツ」の記事を参考にして、タイトジャンクションとは何か、またバリア機能との関係や守るための方法についてご紹介しました。
この記事を参考に、エイジングケアを考える上で大切なキーワードの1つ「タイトジャンクション」を意識したスキンケアや生活習慣に取り組んでみてはいかがでしょうか。