基礎化粧品は効果的な順番で使いたい!
基礎化粧品には、化粧水をはじめ、美容液、乳液、保湿クリームなどの種類があります。
みなさんは、これらのアイテムをいくつお使いですか?また、どのような順番で使っていますか?
なんとなくといった感じで使い分けていたら、それはNGです。
基礎化粧品をつける最大の目的は保湿ですが、役割の違いやつける順番には化学的な根拠や理論があるのです。
そこで、この記事では、「化粧水、美容液、乳液、保湿クリームをつける順番」をテーマに、4種の基礎化粧品の約割の違いをはじめ、正しい使い方の順番、効果的な使い方などについてご紹介します。
基礎化粧品の保湿のメカニズムとは?
お肌は、自身がもっている保湿成分によって、保湿されています。
基礎化粧品による保湿は、加齢や空気の乾燥などが原因で弱った肌本来の保湿力を補うことが目的です。
だから、基礎化粧品に配合されている保湿成分は、お肌の持つ保湿成分と同じものや近いものが多いのです。
お肌の保湿のメカニズムは、表皮の角質層にある水分の比率を20%~30%程度にキープすることです。
お肌の表面では、皮脂腺から分泌される皮脂と汗が混じってできた皮脂膜が天然の保湿クリームとして、水分が肌から蒸散するのを防いでいます。
お肌の角質層では、アミノ酸や尿素でできた天然保湿因子(NMF)が、水分を吸着することで保湿しています。
また、角質細胞間脂質であるセラミドやコレステロールは、ラメラ構造を形成することで、水分を挟み込んで保湿しているのです。
基礎化粧品の役割は、お肌の成分と同じはたらき、または近いはたらきをする保湿成分を補い、このメカニズムをサポートすることです。
それぞれの役割はどう違うの?
1) 化粧水の役割
化粧水にはさまざまな種類がありますが、一般的には保湿化粧水を指します。
その役割は、肌に水分を与えることと水溶性の保湿成分で水分の保持をサポートすることです。
クレンジングや洗顔でメイクや汚れ、不要な皮脂を取り除いた角質層に、水分と保湿成分を届けることで、保湿のファーストステップの役割を果たすのです。
また、化粧水によってお肌が柔軟になるため、後につける美容液が浸透しやすくなります。
2)美容液の役割
一般的な保湿美容液の役割は、水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分を凝縮して配合し、水分の保持をしっかりおこなうことです。
つまり、スキンケアやエイジングケアの要が美容液です。
また、エイジングケア美容液には、しわやほうれい線対策など、特定の肌老化や肌悩みをターゲットにしたものもあります。
最近では、化粧水の前に使用する導入美容液(ブースター)と呼ばれるものも登場しています。
3)乳液の役割
乳液の役割は、水分を保持することと油分で水分の蒸散を防ぐことです。
油分は皮脂膜と似たはたらきで、肌表面にフタをすることによって、水分や保湿成分を閉じ込めます。
だから、保湿クリームを使わない場合は、スキンケアやエイジングケアの仕上げの役割も担います。
乳液には、水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分がバランスよく配合されています。
4)保湿クリームの役割
保湿クリームの役割は、乳液と同じで水分を保持することと油分で水分の蒸散を防ぐことです。
油分は皮脂膜と似たはたらきで、肌表面にフタをすることによって、水分や保湿成分を閉じ込めます。
だから、スキンケアやエイジングケアの仕上げの役割を担います。
水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分がバランスよく配合されていますが、乳液よりも油分が多いのが一般的です。
アイクリームなどのパーツ別のものもありますが、やはり役割は保湿とエイジングケアです。
配合成分の違いを知ろう!
化粧水、美容液、乳液、保湿クリームのいずれであっても、基本的な配合成分は同じです。
その基本構成は、次のとおりです。
水
水溶性の保湿成分
油溶性の保湿成分(エモリエント成分)
機能性成分(エイジングケア成分)
界面活性剤
防腐剤
そのほかの成分(香料・着色料・アルコール・増粘剤など)
それぞれの基礎化粧品を特徴づけるのは、主に水、水溶性の保湿成分、油溶性の保湿成分の配合比率です。
まず、化粧水は大半が水で、80%以上、あるいは90%以上を占めています。
さっぱりタイプであればあるほど、水の配合率が高くなるのが一般的です。
後は、基本成分としてグリセリンやBGなどの水溶性で水分を吸着する成分であるヒューメクタントが配合されます。
次に、美容液には、水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分が凝縮されて配合されています。
だから、一般的には保湿力の高いセラミドなどの成分が高濃度で配合されます。
なかでも、ヒト型セラミドを配合したセラミド美容液が人気です。
このほか、美容液に配合される油溶性成分としては、スクワランなどのオイルがあります。
乳液も多くの場合、70%~80%程度が水です。
乳液には、水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分がバランスよく配合されます。
油溶性成分の割合が、美容液より高く保湿クリームより低いのが一般的です。
最後に、保湿クリームには、水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分がバランスよく配合されます。
油溶性成分の割合は、乳液より少し高いのが一般的です。
油溶性の保湿成分としては、シアバター、スクワラン、ワセリンなどが配合されます。
つける順番の基本
化粧水、美容液、乳液、保湿クリームをつける順番は、水溶性成分の配合比率の多いものが先、油溶性成分の配合比率が多いものが後です。
なぜなら、油分の多い保湿クリームを化粧水の前に使ってしまうと、肌に油分が乗っているので、化粧水に含まれる水や水溶性の成分が浸透しなくなるからです。
したがって、化粧水→美容液→乳液→保湿クリームの順番で使うのが基本となります。
この順番を守って使うことで、それぞれの基礎化粧品の役割を果たすことができるのです。
ただし、今では、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームも多種多様です。
そのため、美容液と乳液で水溶性成分の配合比率が、「美容液<乳液」ということもなくはありません。
この場合は、乳液→美容液がつけ方の正しい順番です。
この配合比率は、全成分表示にも記載がないので、テクスチャーで感じ取るしかありません。
迷った場合は、さっぱりからこってりというふうに、水分が多い順であることを思い出して、基礎化粧品を使う順番を決めましょう。
まとめ
化粧水、美容液、乳液、保湿クリームの役割や配合成分の特徴、また基本的なつけ方の順番をご説明しました。
基礎化粧品は、その役割を理解して適切な順番で使うことで最大の効果を発揮します。
この記事「化粧水、美容液、乳液、保湿クリームをつける順番」を参考に、それぞれの使い方を理解していただき、効果的なエイジングケアを実践していただければ幸いです。