シワ対策やほうれい線ケアの成分として有名なレチノール。ほうれい線の改善を期待して、化粧品に配合されることもありますが、本当にレチノールでほうれい線は消えるのでしょうか?
そこで今回は、ほうれい線へのレチノールの効果についてご紹介します。
レチノールとは?
レチノールとはビタミンAの1種です。ビタミンAは、水に溶けない脂溶性ビタミンで、私たち人間のからだにとって必要不可欠な栄養素です。皮膚や粘膜を保護するはたらきがあり、上皮細胞の形成をサポートし、肌を健康に保ちます。
ビタミンAが不足すると、肌がカサつく、ニキビが増えるなどの肌荒れの原因になり、逆に摂りすぎると、体内に蓄積されてしまうことから過剰症のリスクもあります。
レチノールは、シミや肌荒れなどに効果が高いとされており、アメリカではシワ取りクリームなどの成分として人気となっています。
レチノールは脂溶性であることから、多くは化粧水ではなく美容液かフェイスクリームなど油性の化粧品に配合されています。
肌に塗ると酵素のはたらきによってレチノイン酸に変化し、肌のターンオーバーを促進したり、真皮の線維芽細胞にはたらきかけてコラーゲンの産生を促すなどの効果が期待できます。
しかし、刺激が強いので、化粧品への配合濃度は0.01~0.1%とそれほど高くはありません。また、ピーリング効果もあることから肌が赤くなるという副作用の心配もあり、肌が弱い人にはあまり向いていない成分です。
レチノール配合化粧品のほうれい線への効果
レチノール配合の化粧品には、ターンオーバーの促進やコラーゲンの生成をサポートするという効果が期待できます。
レチノールにはピーリング効果があるので、古い角質を落として肌のターンオーバーを促進させ、シワの改善に役立ちます。
また、レチノールには真皮にある線維芽細胞を活性化させるというはたらきが期待できます。線維芽細胞がコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの肌の弾力を保つ大事な成分をつくり出すのをサポートするので、シワなどの改善に役立つのです。
ただし、化粧品ではレチノールが真皮まで届いてコラーゲンを増やすとは言えません。
つまり、レチノールのはたらきから言えば、レチノール配合化粧品で、乾燥でできた薄いほうれい線を目立たなくすることは可能だとは言えるでしょう。
レチノール配合化粧品を使うときは、いきなり顔に塗ったりせず、腕の内側など皮膚の柔らかいところに塗り、24時間放置してかゆみや赤みが出ないことを確認してから使いましょう。
また、レチノールクリームは紫外線に弱いので、使う時は必ず日焼け止めもしっかり塗る、もしくは、外出しない時や夜だけ使うようにしましょう。
まとめ
レチノールは、ターンオーバーの促進やコラーゲン生成が期待できるエイジングケア化粧品成分ですが、レチノール配合の化粧品では、配合濃度が低く、乾燥で目立ったほうれい線なら改善は可能でも、深く刻まれたほうれい線を消すまではできません。
化粧品成分としての限界を理解して、ほうれい線の予防や今以上に進行させないための対策として、レチノール配合化粧品を活用しましょう。