今回は、ナールスエイジングアカデミー編集部の
「耳の聞こえの衰えで認知症に?知っているのはエイジングケア世代の1/3」を参考に、GNヒアリングジャパン(株)が実施した「聞こえ」に関する意識調査結果と耳の聞こえの衰えを防ぐ対策をご紹介します。
「聞こえ」に関する意識調査結果
GNヒアリングジャパン(株)が、聴力は衰えていないと思っている40代、50代の男女計200名に「聞こえ」に関する意識調査を実施しました。
オンラインアプリ『きこえのチェック』を実施した後、「耳老化が始まっているかもしれないと思いましたか?」との問いに、8%の人が「思う」と回答しました。
「数人で会話している時、聞こえていなくて自分だけ会話についていけないことがありますか?」には、9%の人が「はい」と回答しました。
つまり、約1割の人が聴力の衰えを自覚しているということです。「この先老化が進んでほしくない部位は?」には、「脳」が31%で1番多い回答でした。
「聞こえにくくなると、認知症のリスクが上がるのを知っていますか?」には、67%の人が「知らない」と回答しました。
難聴が認知症のリスクであるということが学会などから報告され、この事実を周知することで難聴の予防を意識づけることが大切です。
難聴と認知症の関係性
わたしたちは、耳の蝸牛にある有毛細胞が、鼓膜から伝わってきた音の振動をキャッチして、電気信号に変えて脳へと伝えることで音を聞き取っていますが、加齢とともに有毛細胞の毛が減少するため加齢性難聴になります。
加齢性難聴を悪化させる原因には、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、喫煙、過度な飲酒、騒音などがあります。また、刺激や振動によってダメージを受けると毛が落下していきます。
国際アルツハイマー病会議でランセット国際委員会が「認知症症例の約35%は、潜在的に修正可能な9つの危険因子に起因する」と発表し、難聴がその1つとして指摘されています。
難聴によって脳を使わなくなると、音の情報を処理する側頭葉も衰え、その結果、コミュニケーションも減り、うつ、社会的孤立、運転能力の低下などのリスクも高まります。
また、難聴になるとコミュニケーションがうまくいかなくなり、その結果、人と会うことや会話を避けることが増え、社会的孤独を感じてうつ状態になったり、孤立してしまったりする場合もあります。
難聴の予防対策
難聴予防のポイントは次のようなことが挙げられます。
- 大音量は耳へのダメージが大きく、老化や難聴を進ませる原因になるので、長時間大音量で聴かないようにしましょう。
- 耳もカラダの一部なので、バランスのよい食事などアンチエイジングを意識した生活習慣で健康に気をつけましょう。
- 耳掃除のやりすぎは、耳の中の皮膚を傷つけ、炎症を起こすことがあるので、適度な耳掃除で清潔を保ちましょう。
- ストレスが続くと、交感神経が優位になり、血管が収縮して、耳の血流にも悪影響を及ぼすので、質の良い睡眠をとったり、笑顔で過ごしたりして、ストレスを溜めないようにしましょう。
- タバコに含まれるニコチンが末梢血管を収縮させ、血流にも悪影響を及ぼすので、喫煙は避けましょう。
まとめ
GNヒアリングジャパン(株)が実施した「聞こえ」に関する意識調査結果と耳の聞こえの衰えを防ぐ対策をご紹介しました。
難聴の予防を心がけることが、認知症の予防やその他の病気の予防につながるといえます。この記事を参考に、難聴予防の対策を若いうちから意識して、認知症だけでなく、ほかの病気や肌老化の予防を心がけましょう。