乾皮症と皮脂欠乏性湿疹の関係や対策を次の記事を参考に解説します。
【皮膚科医監修】乾皮症と皮脂欠乏性湿疹の症状・原因と予防・治療
1.乾皮症とは何か?
乾皮症は、肌が十分な水分を保持できずに乾燥している状態を指します。この状態では、肌の表面がざらつき、かさつき、時にはひび割れることがあります。乾皮症は、季節の変化や気候の影響、過度な洗浄、加齢などが原因となります。また、乾燥した環境や温度の急激な変化も乾皮症を引き起こす要因となります。
2.皮脂欠乏性湿疹とはどう違うか?
皮脂欠乏性湿疹は、乾皮症とは異なる皮膚の状態です。この状態では、皮膚が十分な皮脂を生成できずに乾燥し、かゆみ、赤み、炎症が発生することがあります。皮脂は皮膚を保護し、水分を保持する役割を果たすため、皮脂の不足は肌の健康に影響を与えます。
乾皮症との違いは、主に皮脂の存在です。乾皮症では皮脂量は十分であるが水分が不足しているために肌が乾燥し、かさつく状態となります。一方で、皮脂欠乏性湿疹では皮脂自体が不足しており、それに伴って肌がかゆみや赤みを伴う炎症状態になることが特徴です。
どちらの状態も、適切なスキンケアと保湿が重要です。乾皮症の場合は水分保持能力を向上させ、皮脂欠乏性湿疹の場合は皮脂バリアを強化するために適切なスキンケアアプローチを選ぶことが大切です。皮膚の状態や個々のニーズに合わせたケアを行うことで、健康な肌を保つことができます。
3.皮膚科における乾皮症の治療
1) 保湿療法
乾皮症の主な治療法は保湿です。適切な保湿剤やクリームを使用して、肌の水分を補給し、乾燥を防ぎます。保湿剤は入浴後や洗顔後、必要に応じてこまめに使用することが効果的です。
2)洗浄方法の見直し
過度な洗浄は皮膚の自然な油分を奪い、乾燥を悪化させる可能性があります。適切な洗浄剤を使用し、刺激を避けるよう心がけましょう。また、長時間の入浴や熱いお湯は肌を乾燥させるため、温度や時間に気を付けることも重要です。
3)シャワーオイルや入浴剤の使用
シャワーオイルや入浴剤は、入浴時に皮膚を保湿する効果があります。入浴中に水分が奪われるのを防ぐため、乾皮症の人にとっては有益です。
4)ステロイド軟膏の使用
重度の乾皮症や炎症がある場合、皮膚科医は一時的にステロイド軟膏を処方することがあります。これは炎症を鎮め、かゆみや赤みを軽減する効果がありますが、長期間の使用は避けるべきです。
5)プレスクリプション保湿剤:
一部の場合、皮膚科医が処方する特定の保湿剤があります。これらは通常の市販品とは異なる成分や配合を持ち、より効果的な保湿を提供することがあります。
6)栄養と生活習慣の見直し
栄養バランスが整った食事や十分な水分摂取、適度な睡眠は皮膚の健康にも影響を与えます。生活習慣の見直しも乾皮症の改善に寄与します。
皮膚科医に相談して、自身の肌状態に合った治療法を選ぶことが大切です。また、乾皮症の症状が悪化する場合や痛みやかゆみが強い場合は、早めに専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
4.まとめ
乾皮症も皮脂欠乏性湿疹も肌が乾燥してバリア機能が低下している状態です。
保湿をしっかり行って改善を目指しましょう。
また、セルフケアで難しい場合は早めに皮膚科を受診しましょう。