誰でも一度は、皮下組織や皮下脂肪という言葉を聞いたことがありますよね。
特に皮下脂肪は、肥満の悩みとしてよく挙がるキーワードです。
この皮下組織と皮下脂肪が、実はお肌のたるみやほうれい線と関係があるんです。
そこで、ナールスエイジングケアアカデミー編集部の「皮下組織と皮下脂肪の構造と役割。たるみ・ほうれい線を意識!」を参考にして、皮下組織や皮下脂肪の構造と役割についてご紹介します。
皮下組織の構造
お肌(皮膚)は上から表皮、真皮、皮下組織と3層構造になっています。
つまり皮下組織は、この3層構造の最も内側にある組織で、大部分が4mm~9mmの厚さをしています。
この皮下組織が、表皮と真皮を支えています。
皮下組織の大部分は「皮下脂肪(脂肪細胞)」が占めており、この皮下脂肪の間を動脈、静脈、リンパ管が通っています。
皮下組織とその上にある真皮は、境界が明確ではなく、顔の一部では皮下組織に表情筋が入りこみ、からだの一部では汗腺が入り込んでいます。
皮下脂肪の役割は
皮下脂肪は、その厚さはからだの部位、年齢、性別によって異なりますが、頭部や顔では2mm前後、その他では10mm前後と、表皮や真皮よりも厚いです。
この皮下脂肪には、「白色脂肪細胞」、「褐色脂肪細胞」と2種類あり、それぞれ働きが違っています。
●白色脂肪細胞
白色脂肪細胞は、いわゆる「脂肪」のことです。
余ったエネルギーを蓄える貯蔵庫としての役割があります。その他に、多様なホルモン性物質を血中へ分泌する内分泌器官としても働いています。
増えすぎると肥満になったり、真皮の弾力性を損ない、老化していないお肌のたるみを引き起こします。
●褐色脂肪細胞
その名の通り、褐色の色をしているのが褐色脂肪細胞です。
この細胞は脂肪細胞のうち約1%しかなく、首の回りやわきの下、肩甲骨の間、心臓や腎臓の周りといった限られた場所にしかありません。
また、幼児期には多いのですが、成人になると激減します。
褐色脂肪細胞は、脂肪を燃やしてカロリーを消費する役割があります。食事後にからだが温まるのは、褐色脂肪細胞が白色脂肪細胞を燃やして、熱を発生させているためなんです。
この褐色細胞のはたらきが活発人は、エネルギーをたくさん消費できるので太りにくいです。言い換えれば、活発でない人は太りやすいということですね。
皮下組織と皮下脂肪にはこんな役割がある
ご紹介したように、皮下組織とその大部分を占める皮下脂肪。
これらは次のような役割を担っています。
・皮下組織は、エネルギーを脂肪の形で蓄える。
・皮下組織を通っている血管とリンパ管が、お肌へ栄養素を届け、老廃物を運び出す。
・皮下脂肪はクッションとなって、外部からの刺激や衝撃をやわらげて、からだの内側を守る。
・皮下脂肪は、断熱と保温のはたらきがある。
具体的には、寒い時には体温をカラダの外へ逃がさず体温の低下を防いで、暑い時は外気の熱を伝わりにくくして体温の上昇を防いでいます。
たるみやほうれい線と皮下脂肪の関係
年齢を重ねてくると代謝機能も低下してくるので、皮下細胞が肥大化し、お肌が重力に耐えられなくなって、たるみを引き起こします。
また、脂肪細胞が肥大化すると、遊離脂肪酸を過剰に分泌するので、線維芽細胞の細胞分裂にも悪影響を与えて、活力を低下させます。そのため、コラーゲンやエラスチンが作られるのも低下してきます。
つまり、皮下脂肪の衰えがお肌の弾力低下をもたらし、たるみの原因となるわけです。
ほうれい線はたるみが主な原因なので、当然、皮下脂肪の衰えや肥大化することで、目立ってきてしまいます。
まとめ
ナールスエイジングケアアカデミーの「皮下組織と皮下脂肪の構造と役割。たるみ・ほうれい線を意識!」を参考にして、皮下組織や皮下脂肪の構造と役割と、たるみやほうれい線との関係についてご紹介しました。
皮下組織は、スキンケアやエイジングケア化粧品ではケアできませんが、表皮や真皮を支える大切な組織としてはたらいています。
また、皮下脂肪というと「肥満やぜい肉のもと」というよくないイメージがありますが、皮下脂肪によって、私たちのからだも外部からの衝撃や刺激から守られています。
毎日の生活習慣で皮下組織をケアして、健やかなお肌を維持していきましょう。