お肌のバリア機能と関係が深いタイトジャンクション
タイトジャンクションという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この言葉は、美容に詳しい方にも、まだあまり知られていません。
タイトジャンクションは、英語ではtight junctionで、日本語では密着結合(みっちゃくけつごう)とも呼ばれます。
お肌の中で隣り合う上皮細胞同士が密着し、お肌の中の成分が細胞と細胞の間を通過するのを防ぐ、結合のことです。
実は、このタイトジャンクションは、美肌に大切で敏感肌に大きな影響を及ぼすバリア機能と深い関係があります。
もし、この結合が弱くなるとお肌はダメージを受けるのです。だから、タイトジャンクションを守ることが、健やかでエイジレスな美肌をキープするための大切なポイントです。
そこで、ナールスエイジングケアアカデミーの「タイトジャンクションを守ろう!バリア機能正常化と敏感肌対策のコツ」の記事を参考に、タイトジャンクションとは何か、その役割や守るためのスキンケアについてご紹介します。
タイトジャンクションとは?
タイトジャンクションとは、日本語で密着結合と呼ばれるとおり、細胞と細胞が密着するようシールのようにつながっている、たんぱく質でできた構造体です。
簡単にいえば、タイトジャンクションとは、細胞同士をくっつける接着装置です。
タイトジャンクションは、胃や腸、肝臓、尿管、血管などにあることがわかっていましたが、かつてはお肌にはないと考えられていました。
しかし、研究が進み21世紀になって皮膚の表皮の顆粒層にもあることがわかったのです。
タイトジャンクションのはたらきって?
このタイトジャンクションは、細胞同士を密着させることで、細胞と細胞の隙間をふさぐはたらきがあります。
その結果、次のような効果が期待できます。
お肌の水分や栄養分などが外部に出ていくのを防ぐ
お肌の外から異物が入るのを防ぐ
イオンの透過を制御する
つまり、タイトジャンクションは、角質層とともにエイジングケアの要であるお肌のバリア機能を維持するために、大きな役割を果たしているのです。
バリア機能との関係は?
まず、知っていただきたいのは、お肌の中のカルシウムイオンのはたらきです。
カルシウムイオンは、表皮の顆粒層にたくさんあります。
そして、表皮が健康にターンオーバーを行い、十分な潤いをもつ角層をつくるためには必要なものです。
なぜなら、表皮の基底層で生まれた細胞が角層細胞に変化するために、カルシウムイオンがスイッチのはたらきをしているからです。
つまり、カルシウムイオンが十分あれば、ターンオーバーは正常化し、逆に少なければ停滞してしまうのです。
実は、このカルシウムイオンは、タイトジャンクションと深い関係があります。
健康なお肌の場合、タイトジャンクションが水分を保持するだけでなく、カルシウムイオンもしっかり保持しています。
だからこそ、ターンオーバーが正常にはたらき、健康な角質が生まれることで、バリア機能も維持されているというわけです。
つまり、タイトジャンクションは、カルシウムイオンを保持することで、バリア機能を担っているのです。
タイトジャンクションが低下するとどうなる?
①バリア機能が低下
タイトジャンクションのはたらきが低下すると、角質細胞間脂質であるセラミドやコレステロール、脂肪酸などの産生が低下することがわかっています。
②角層の保湿機能が低下
タイトジャンクションのはたらきが低下すると、保湿成分としてはたらく天然保湿因子(NMF)に変わるフィラグリンの合成や代謝に異常が起こったり、アミノ酸の量が減ることがわかっています。
③角質の肥厚が起こる
タイトジャンクションのはたらきが低下した皮膚では、角質が肥厚することがわかっています。また、タイトジャンクションは、主にエイジング、紫外線、ストレス、低体温などの影響で弱ってしまいます。
エイジングケアの大切なポイントは、バリア機能を正常化させるスキンケアなので、タイトジャンクションを意識することも大切。
刺激の強いクレンジングや洗顔を避けるほか、保湿を中心としたエイジングケアでタイトジャンクションを正常に維持しましょう。
まとめ
ナールスエイジングケアアカデミーの「タイトジャンクションを守ろう!バリア機能正常化と敏感肌対策のコツ」の記事を参考にして、タイトジャンクションとは何か、そのはたらきとともに、バリア機能との関係や低下する要因などをご紹介しました。
この記事を参考に、タイトジャンクションについて理解を深め、守ることを意識したスキンケアやエイジングケア、生活習慣に努めてくださいね。