実験で明らかになったテネイシンCと光老化の関係
エイジングケア世代の女性ならもちろんご存じと思いますが、紫外線ダメージを受け続けていると、光老化によってお肌の老化が進んでしまいます。
この光老化の始まりのサインが、お肌の真皮にある「テネイシンC」と呼ばれる糖たんぱく質の減少であることを日本メナード化粧品(株)が発見しました!
テネイシンCの減少にともない、お肌のハリ・ツヤの維持に欠かせないコラーゲン線維も減少してしまうのです。
では、どうしたらテネイシンCの減少を防ぐことができるのでしょうか?
そこで、ナールスエイジングケアアカデミーの「新発見!テネイシンCの減少でコラーゲンが減って光老化に」の記事を参考に、テネイシンCとコラーゲン量の関係性や、光老化の根本原因についてご紹介します。
テネイシンC のはたらきとは?
テネイシンCは、もともと乳癌間質で初期発生時に現れる細胞外マトリックス糖たんぱく質として発見されました。
通常、赤ちゃんから子供の腱、骨、軟骨中に存在します。成人になると通常は、腱関係の組織以外ではありません。しかし、成人でも癌の組織構築や炎症部位の組織修復で急速に発現します。
癌細胞の浸潤や転移能などの進展を促進している一方で、心筋・血管・関節などの病変や創傷の治癒、組織の再生においてはさまざまな細胞にはたらきかける役割をしています。
お肌においては、テネイシンCは真皮上層部の乳頭層のみに特異的に存在することが確認されています。
光老化のメカニズム
紫外線を繰り返し浴びていることで、真皮にある線維芽細胞を傷つけ、お肌のハリや弾力を生み出すコラーゲンやヒアルロン酸などの成分がつくられる量が減少します。
また紫外線によって、これら成分を分解する酵素が過剰に発生してコラーゲンなどの成分を壊してしまいます。さらに、エラスチンは弾力をなくして異常な形になって増えます。
その結果、しわやたるみ、シミなど、肌の老化現象、つまり光老化が引き起こされます。
日本メナード(株)の実験では、線維芽細胞に紫外線を照射したところ、テネイシンCの発現量が減少することがわかったとのこと。
また、培養した線維芽細胞に紫外線を照射して、テネイシンCとコラーゲンの線維量の関係を見た実験結果では、テネイシンCの減少にともないコラーゲン線維も減少することが見られました。
一方で、紫外線照射と同時にテネイシンCを添加すると、コラーゲンの線維量の減少を抑制することもわかっています。
光老化の根本原因とは?
線維芽細胞は、アクチン線維によって細胞骨格が構成されています。
アクチン線維はアクチンというたんぱく質が積み重なってできており、この積み重なる数によってアクチン線維の長さが変わり、細胞の形態も決まります。
正常な線維芽細胞はアクチン線維からアクチンを取り外すのと、新たに積み重ねることを繰り返すことで長さを維持して、コラーゲン線維の上を移動しながら真皮の成分を生成していきます。
ですが、紫外線を浴びつづけた線維芽細胞は、アクチンを新たに積み重ねることができなくなり、アクチンを取り外すことを繰り返していくため、細胞骨格のアクチン線維自体が短くなります。その結果、線維芽細胞が萎縮します。
線維芽細胞が萎縮すると、そこでつくられるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった成分の生成量が低下したり、壊されることにつながることが明らかになりました。もちろんテネイシンCの産生量も低下します。
つまり、光老化によるお肌の老化を引き起こさないためには、「線維芽細胞を可能な限り萎縮させないこと=紫外線ダメージを予防する」ことが大切なわけです。
まとめ
ナールスエイジングケアアカデミーの「新発見!テネイシンCの減少でコラーゲンが減って光老化に」の記事を参考にして、テネイシンCとは何か、またコラーゲン量との関係性や光老化の根本原因についてご紹介しました。
この記事を参考に、紫外線対策を心がけ、テネイシンCや肌のコラーゲンを減らさないようにしましょう。
また、加齢とともに減るコラーゲンをキープするためには、からだの内側からの対策も大切にしてくださいね!