加齢黄斑変性は、欧米では、中途失明の原因疾患の第2位として深刻な病気でした。
最近日本でも高齢化に伴い、患者数が増加しています。また、国民に認知度も高まっています。
かつては有効な治療に乏しかったこの加齢黄斑変性症も、最近治療が進歩し、進行をくいとめる、あるいは改善させる可能性がでてきました。
加齢黄斑変性症とは?原因・症状と対策や治療法を参考にして、詳しく説明します。
1. 加齢黄斑変性症とは
加齢黄斑変性症は、加齢によって黄斑部に変化が生じる眼の疾患です。黄斑は視力に重要な役割を果たす部位であり、この症状が進行すると視力の低下が起こります。
人間は情報の80%を視覚から得ていると言われていますが、加齢とともに、眼に様々な病気がおき、車の運転、ゴルフ、読書や、手芸ほか目を使うことでできる仕事や趣味などに支障をきたします。
加齢黄斑変性は、高齢者に多い病気で、視力の中心となる黄斑部がやられる厄介な病気のひとつです。
2. 加齢黄斑変性症の症状
加齢黄斑変性症の症状には、中心視野のぼやけや歪み、色の認識障害が含まれます。また、細かな文字や細部の認識が難しくなることもあります。
3. 加齢黄斑変性症の原因は?
加齢黄斑変性症の主な原因は、年齢による黄斑部の組織の変化です。紫外線の影響や酸化ストレスも関与しており、遺伝的要因も影響を及ぼす可能性があります。
4. 検査と診断法は?
1) 検査
加齢黄斑変性症の検査には、視力検査や眼底検査、オプチカルコヒーレンストモグラフィ(OCT)などがあります。これらの検査により、黄斑部の異常や病態を評価します。
2) 診断
医師は症状や検査結果を考慮して診断を行います。正確な診断が早期治療の重要なステップとなります。
5. 加齢黄斑変性症の治療法
1) 薬物治療:
現在、加齢黄斑変性症の進行を遅らせるための特定の薬物が使用されています。
加齢黄斑変性の原因となる脈絡膜新生血管は、血管内皮増殖因子(VEGF)というたんぱく質によって成長が促進されます。そのため、VEGFを抑える薬剤が開発されました。この薬剤は、硝子体内注射といって、眼に直接注射します。
これらの薬物は黄斑部の変化を抑え、視力の低下を緩和する効果があります。
2) 手術その他
一部の症例では、レーザー治療や手術が検討されることもあります。
例えば、脈絡膜新生血管が、中心窩にない場合はレーザーで焼切ることが可能です。レーザーを照射した部網膜の視細胞はやられてしまうので、その部分は見えなくなるデメリットがあります。
一方、新生血管が中心窩に及ぶことを防ぐことができるため、視力が低下することを防ぐことができます。
しかし、効果やリスクをよく理解した上での判断が必要です。
6. 予防はできる?
特定の予防策は確立されていませんが、健康的な生活習慣や紫外線対策を行うことで予防できる可能性があります。
7.まとめ
加齢黄斑変性症の症状・原因から検査・診断・治療法・予防について幅広く解説しました。
高齢の方に多い加齢黄斑変性症。
目が不自由になるとQOLが著しく低下します。
この記事を参考に加齢黄斑変性症の理解を深めましょう。