バリア機能は美肌の要!
多くの女性が聞いたことのある「ターンオーバー」。
お肌のターンオーバーとは、表皮部分の「新陳代謝」のことで、ターンオーバーによって新しい角質やセラミド、天然保湿因子(NMF)などがつくられます。
つまり、お肌の生まれ変わりのことをいいますが、このはたらきはうるおいのある美肌のためにはとても大切です。
しかし、加齢によってターンオーバーの周期が変化したり、紫外線やストレスなどの影響によっても機能は低下してしまいます。
では、どのようにしてターンオーバーを正常に保てばいいのでしょうか。
この記事では、「皮膚のターンオーバーのはたらき」をテーマに、ターンオーバーの乱れの原因をはじめ、ターンオーバーを正常に保つためのスキンケアやエイジングケア、日常生活のコツなどを幅広くご紹介します。
そもそもターンオーバーって?
まずは、ターンオーバーについておさらいしましょう。
ターンオーバーは、英語で「Turn Over」、元の意味は、「引っ繰り返す」「入れ替わる」ことです。
お肌のターンオーバーもこの意味に準じて使われていて、お肌の表皮部分の「新陳代謝」、「生まれ変わり」のことをいいます。
皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」からなり、さらに「表皮」は一番下から「基底(きてい)層」「有棘(ゆうきょく)層」「顆粒(かりゅう)層」「角層(角質層)」という順に並んで構成されています。
ターンオーバーが起こるのは表皮の部分で、一番下にある「基底層」で新しい細胞が生まれ、徐々に角層まで押し上げられていき、バリア機能を果たした後、最後は垢となってはがれ落ちるというサイクルを繰り返します。
この1サイクルがターンオーバーの期間です。
ターンオーバーの速度は、からだの部位や年齢によって異なります。
ターンオーバーが正常なお肌とは?
ターンオーバーが正常なお肌では、同時にバリア機能も整っている場合が多いのです。
そして、そんなお肌は潤いが十分で健やかです。
さらに、次のような特徴があります。
キメが整っていてお肌に透明感がある
お肌にハリがある
お肌にツヤがある
このようなお肌は、クリアできれいな理想の素肌、つまり「美肌」です。
ただ、ほかの要因による肌悩みも起こり得るので、お肌の状態はターンオーバーだけで語れないこともあります。
また、お肌のターンオーバーは、「表皮」で起こることで、「真皮」で起こっているわけではないことも知っておきましょう。
ターンオーバーが乱れる原因は?
お肌は、細胞がターンオーバーによって定期的に入れ替わることで健やかさをキープしています。
つまり、一定のサイクルで行われることが、美肌への第一歩。
ターンオーバーは遅すぎても早すぎても肌トラブルのもととなるため、正常に保たれることが大切です。
しかし、からだの内部と外部のさまざまな原因によって乱れてしまいます。
ターンオーバーの乱れの原因をチェックしてみましょう。
■ターンオーバーの乱れの原因
• お肌の老化
• 加齢
• お肌の乾燥
• 紫外線
• 酸化
• 糖化
• 誤った洗顔やクレンジング、スキンケア
• ストレスなどによる自律神経の乱れ
• 睡眠不足
• バランスの悪い食生活
• 女性ホルモンの減少やホルモンバランスの乱れ
• からだの冷え
• 喫煙
• 気温や気候の変化
• アトピーやアレルギーなどによる皮膚の病気
• 老人性乾皮症や皮脂欠乏性湿疹などの皮膚の病気
• アルカリ性や酸性度の高いお風呂や温泉への過度な入浴
こうしてみると、加齢による新陳代謝の低下は別として、正常なターンオーバーを導くためには、日常の生活習慣のあり方とスキンケアが重要な要素であることがわかります。
ターンオーバーの乱れでお肌はどうなるの?
ターンオーバーが早すぎる場合には、次のような肌トラブルが起こります。
• 毛穴の黒ずみ
• いちご鼻
• 角栓が目立つ
• お肌がテカる
• ニキビや大人ニキビができる
• お肌が敏感、過敏になる(敏感肌)
• 肌表面はテカり、内部はカラカラのインナードライ肌
• 肌に赤み、炎症、肌荒れ、発疹、かゆみがある
ターンオーバーの周期が長くなると、古い細胞がお肌に留まって出ていかないため、新しい肌細胞がつくられにくくなります。
さらに、自然にはがれるはずの垢(老廃物)がいつまでもはがれず、お肌の表面を覆ったままになり、角質が厚くなる(角質肥厚)ことでさまざまな肌トラブルがあらわれます。
また、先ほど説明したように、メラニンがお肌に留まってシミもできやすくなるのです。
• くすみがちで肌のキメも乱れている
• 表面がごわついてメイクのノリが悪い
• お肌がザラザラ、ガサガサでツヤがない
• 急にシミが増えたり、濃くなってきたように感じる
• 擦り傷や切り傷が治りにくい
などは、ターンオーバーが遅くなっているサインです。
ターンオーバーを整えるには?
乱れてしまったターンオーバーを正常に導くにはどうすればいいのでしょうか。
まず基本となる対処法は、からだの内側からターンオーバーを整えること。
そのために、「食事」や「睡眠」などの生活習慣を見直してみましょう。
バランスのよい食事は特に大切。たんぱく質、炭水化物、脂質をバランスよく摂りましょう。
また、皮膚や粘膜を丈夫にし、肌荒れや老化を予防する効果が期待できるビタミンA、抗酸化作用に優れ保湿にも有効とされるビタミンC、お肌の新陳代謝を高め、皮膚細胞を活性化するビタミンB2、B6などを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
また、お肌のターンオーバーは、眠っている間に行われるため、睡眠時間もしっかりと確保したいですね。
なぜなら、睡眠と活性酸素を取り除くメラトニンという物質が深くかかわっているからです。
メラトニンによって活性酸素が睡眠とともに取り除かれ、ターンオーバーの正常化をサポートするのです。
また、成長ホルモンもお肌のターンオーバーのために欠かせない物質です。
成長ホルモンのおかげで、寝ている間にお肌が、ターンオーバーで新しく生まれ変わっているのです。
スキンケアやエイジングケアでターンオーバーを整えるには、「清潔を保つ正しい洗顔・クレンジング」、「保湿」、「紫外線対策」の基本の3つが大切です。
スキンケアの中で、特にターンオーバーと関わりの深いものが「洗顔」です。
正しく洗顔を行えば、ターンオーバーの正常化に役立ちますが、誤った洗顔はターンオーバーの乱れにつながります。
さらに、保湿はターンオーバー正常化の基本。
優しいクレンジングや洗顔を行ったあとには、エイジングケア化粧品などで保湿成分を補い、しっかりと保湿しましょう。
まとめ
ターンオーバーが乱れる原因をはじめ、正常に保つための日常生活やスキンケア方法などを幅広くご紹介しました。
この記事「皮膚のターンオーバーのはたらき」を参考に、ターンオーバーの乱れを防いで健やかな素肌を保っていただければれば幸いです。